暮らしの備え

防災庁の備蓄要請、何をどれだけ?4人家族7日分は水42本・携帯トイレ140回

公開 · 動画 11:19

この記事の答え

  1. 水は1人1日3L、携帯トイレは1人1日5回を出発点に、人数と日数を掛けます。
  2. 4人家族の7日分は水84L(2Lボトル42本)・携帯トイレ140回分。この本の試算です。
  3. 家にある量を引いて買い足し、浸水の想定と避難経路を確かめて置き場所を決めます。

備える前に、家にとどまれる条件を

備蓄があることだけで、家にとどまれるとは決まりません。建物の倒壊や火災、浸水の危険と自治体の避難情報を優先してください。洪水時の屋内安全確保は、家屋が倒壊・崩落するおそれの高い区域の外にいること、浸水する深さより高い所にいること、水が引くまで暮らせる水・食料などがあることが条件です。上の階に水を置くことと、そこに避難できることは分けて考えます。大阪府の避難行動判定フローも確かめてください。

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水(1人1日)
3L
飲む水と食事に使う水。洗い物・湯せんの水は別
4人家族・7日分の水
84L
2Lボトル42本・6本入り7箱・約84kg(この本の試算)
携帯トイレ(1人1日)
5回
内閣府のガイドラインの目安。多い人はその回数で
4人家族・7日分の携帯トイレ
140回
5回×4人×7日(この本の試算)
この記事の目次
  1. 水は「1人1日の量×人数×日数」
  2. 携帯トイレは「1人1日5回」から数える
  3. 1〜5人の3日分・7日分の早見表
  4. 家にある分を引いて、買い足す量を出す
  5. 水だけで約84kg。置く階と、置かない場所を決める
  6. よくある質問
  7. 今日すること
  8. この本について
  9. 出典

2026年11月2日の防災庁の緊急要請は、水や食料を最低3日間、できれば1週間分備えるよう求めています。また、携帯用トイレなどの備蓄も呼びかけています。けれども、目安の日数が分かっても、買い物や収納の計画はまだ決まりません。この記事では、檜山文乃『収納が少ない家の備蓄と在宅避難』をもとに、水と携帯トイレを「わが家の量」に直します。人数別の表を使い、家にある分を引いて、置ける場所まで考えましょう。要請の出典

水は「1人1日の量×人数×日数」

水の計算の出発点は、1人1日3Lです。農林水産省は、飲む水と調理用の水を合わせた量として示しています。湯せんや、食品・食器を洗う水は別に必要です。「3L用意したから、家で使う水は全部足りる」とは考えないでください。水の目安・生活用水の区別

3L × 4人 × 7日 = 84L = 2Lボトル42本

4人家族の7日分。水84Lは2Lボトル42本、6本入り7箱
4人家族・7日分の飲み水と調理用の水。公的な目安を用いた、この本の試算。

この84Lは、公的な資料に「4人家族なら84L」と一律に指定された量ではなく、1人あたりの目安に人数と日数を掛けた本の試算です。まず3日分なら、同じ家族で3L×4人×3日=36L。そろえたあとに、7日分へ延ばす順番を考えます。

家族の人数を決めるときにも条件があります。この本では幼児以上を大人と同じ量で数えます。乳児はこの人数に含めず、ミルク用の水などを別の欄に書いて足します。ペットの水も追加分です。洗い物などの生活用水は用途と容器の容量を別に書き、飲み水の数字と混ぜないようにします。

携帯トイレは「1人1日5回」から数える

防災庁の要請には、携帯トイレを何回分備えるかまでは書かれていません。よく使われる1人1日5回は、内閣府のトイレガイドラインを紹介する広島市の資料などによる目安です。広島市は家庭向けに「5回×家族の人数×3日分、できれば1週間分」という数え方を示しています。広島市の資料

5回 × 4人 × 7日 = 140回分

ただし、5回は全員にぴったり当てはまる回数ではありません。目黒区は1人1日5〜7回で計算しています。日本トイレ研究所も、個人差があるので自分の回数を数えるよう勧めています。ふだんの平日と休日に数え、多い人はその回数を計算に使ってください。目黒区の資料・自分の回数を数える

家族で回数が違うときは、人数を掛ける前に、各人の1日の回数を足します。たとえば4人が5回・5回・5回・7回なら、(5+5+5+7)×7日=154回分です。140回分との差は14回分。この例は動画で示した試算で、家族の実際の回数に合わせて書き換えます。

携帯トイレの袋をまとめて保管するイメージ
携帯トイレをまとめて保管するイメージ。特定の家庭の備蓄や商品の実測を示すものではありません。

マンションでは、水が出ても排水管の無事が確認できるまでトイレを流しません。携帯トイレは使う場所の近くへ。使用後の袋を保管する場所や捨て方も、管理会社や自治体の案内と合わせて確認します。

1〜5人の3日分・7日分の早見表

次の表は、水3L・携帯トイレ5回という1人1日あたりの目安に、人数と日数を掛けた本の試算です。人数の行を見つけて、まず3日分、次に7日分を紙へ写します。家族の回数で計算し直したトイレの数字があるときは、そちらを使ってください。

水の必要量と、7日分を2Lボトルでそろえる本数(本の試算)
人数水・3日分水・7日分2L本数・7日分
1人9L21L11本
2人18L42L21本
3人27L63L32本
4人36L84L42本
5人45L105L53本
携帯トイレの必要回数(1人1日5回として計算した本の試算)
人数トイレ・3日分トイレ・7日分
1人15回35回
2人30回70回
3人45回105回
4人60回140回
5人75回175回

2Lボトルの本数は、必要なリットル数を2で割り、端数を切り上げています。たとえば1人の7日分は21L。21÷2=10.5なので11本、実際にそろう水は22Lです。端数を切り上げた分が増えるのであって、公的な目安が変わったわけではありません。

この表の人数は幼児以上です。乳児のミルクやおむつ、家族専用の食品、ペットの分などは別に整理します。また、カセットボンベは農林水産省の目安では1人1週間あたり約6本。日数の単位が違うため、水・トイレの式にはそのまま入れません。調理の仕方でも変わります。

家にある分を引いて、買い足す量を出す

必要量を全部買う前に、台所や押し入れの中を数えます。紙に「必要な量」「家にある量」「足りない量」の欄を作り、同じ単位で引き算します。本数とリットルをそのまま引かず、いったんリットルへそろえるのがポイントです。

本の例では、3人家族の7日分の水は63L。家に2Lボトルが12本あれば24Lなので、不足は63−24=39Lです。買い足す2Lボトルは39÷2=19.5を切り上げて20本。すでにある12本と合わせて32本、64Lがそろいます。

必要な63L − 家にある24L = 不足39L → 2Lボトル20本

同じ3人家族で、携帯トイレを1人1日5回として計算するなら7日分は105回。家に20回分あれば105−20=85回分を買い足します。製品は「何袋入り」だけでなく、何回使えるかの表示を見て数えます。必要量より在庫が多いときは、今回の買い足しをゼロにして、期限や保管場所を確認します。

水だけで約84kg。置く階と、置かない場所を決める

4人家族の7日分の水84Lは、2Lボトル42本、6本入りなら7箱です。水だけで約84kgになり、ボトルや箱の重さは別に加わります。買い足す前に、この重さを家のどこへ分けて置くか考えます。農林水産省は、重い物を下へ、軽い物を上へ置き、1か所に入らない備蓄は分散して収納するよう勧めています。収納の資料

水7箱を分けて置く考え方を示す図
6本入りの水を箱の数に直す図。4人家族の7日分は7箱になる、本の試算です。

本では、最初に間取りへ「置かない場所」を書くことを提案しています。玄関ドアが開く範囲、廊下、共用廊下や階段、ベランダの避難ハッチと隔て板の前などです。空いて見える場所でも、逃げ道なら収納先にはしません。

収納の幅・奥行・高さと、棚の耐荷重を確かめます。本では水6本入りの箱を約32×22×35cm、水だけで約12kgと仮定しています。これは特定の商品の実測ではありません。買う箱や手元の箱を測り、棚の説明書と照らし合わせてください。写真風の画像も、置けることを保証する配置図ではありません。

浸水の想定がある家は、分散する前に置く階を決めます。本の例では、4人家族の水7箱を1階に2箱、2階に5箱とすると、2階だけの水は60L。1日に3L×4人=12L使うので、60÷12=5日分です。7日分を目標にするなら、2階の分だけで足りる計画に直します。

上の階に置いた備蓄だけでは、在宅避難を選べるとは限りません。冒頭の屋内安全確保の条件と自治体の避難情報を先に確認します。置ける量だけで滞在日数を決めず、水が引くまでの見込みと、食料・トイレなども合わせて考えます。

よくある質問

「1人1日3L」に洗い物の水も入りますか?

入りません。3Lは飲む水と調理用の水です。食品や食器を洗う水、湯せんの水は別に用意します。用途と容器の容量を別の欄に書いて考えましょう。

飲み水を備えるイメージ

動画は 2026年11月5日 19:00 公開予定(日本時間)

画像はイメージです。

携帯トイレは何回分を備えますか?

1人1日5回を出発点に、人数と日数を掛けます。3人家族なら3日で45回、7日で105回が本の試算です。回数の多い家族がいれば、その人の回数を足して計算し直します。

携帯トイレの袋をまとめて保管するイメージ

動画は 2026年11月7日 12:00 公開予定(日本時間)

画像はイメージです。

4人家族7日分の水は、どこに置けばよいですか?

まず浸水の想定を確かめ、置く階を決めます。そのうえで避難経路を避け、重い水は低い所へ分散します。42本は水だけで約84kg。実際の箱の寸法と棚の耐荷重も確認してください。

収納が少ない部屋のイメージ

動画は 2026年11月9日 19:00 公開予定(日本時間)

画像はイメージです。

今日すること

まずは、紙にわが家の数字を書いてみましょう。

  1. 家族の人数と日数を書き、水の3日分・7日分を計算する。
  2. 家にある水と携帯トイレを数え、不足分を同じ単位で引き算する。
  3. 間取りに避難経路と「置かない場所」を書き、浸水の想定を見て置く階を決める。
『収納が少ない家の備蓄と在宅避難』の表紙

この本について · 運営会社の刊行書籍

収納が少ない家の備蓄と在宅避難

家族構成と暮らしに合わせる水・食料・トイレ・電源と置き場所
著者名(筆名):檜山 文乃

何をどれだけ、どこに置けばいいのか。家族構成と暮らしに合わせて水・食料・トイレ・電源を考え、収納が少ない家の置き場所を決める、ワークシートつきの実用書です。自宅の危険の確認から、買う順番、停電・断水時の手順、家族の連絡ルールまでを扱います。

紙の本・電子書籍 販売準備中

出典と確認日

公的な目安と、もとの本の計算・提案を分けて記載しています。確認日は資料を照合した日です。

  1. 事前防災徹底のための緊急要請防災庁 · 確認 2026-11-02
  2. 広報誌aff 2026年3月号 特集「家庭備蓄」(1)農林水産省 · 確認 2026-11-02
  3. 大事な水、どうやって備えますか?農林水産省 · 確認 2026-11-02
  4. 避難所等でのトイレ問題に備える広島市 · 確認 2026-11-02
  5. 災害時のトイレは家庭での備蓄が重要です目黒区 · 確認 2026-11-02
  6. 災害時のトイレ使用回数日本トイレ研究所 · 確認 2026-11-02
  7. 災害時に備えた食品ストックガイド(9)備蓄食品の収納テクニック農林水産省 · 確認 2026-11-02
  8. 避難行動判定フロー大阪府(内閣府の避難行動判定フローの文言を掲載) · 確認 2026-11-02

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